屋内地理情報システム

屋内地理情報システム(Indoor GIS)

屋内地理情報システムとは建物の構造に関する情報と、屋内測位で得られた位置情報、さらにRFID、i-Line等その他のセンサからの情報を組合わせて様々なサービスを提供するシステムです。 弊社は社会連携研究推進事業の一環として、創価大学工学部・大学院工学研究科様と協力し、超音波を用いた屋内測位技術を応用した屋内地理情報システムの開発を行っております。

既存の屋内測位技術

屋内測位技術は建物の内部で人や物の位置を特定する技術です。全地球測位システム(GPS)との対比から、LPSと呼ばれることもあります。 建物内にはGPSの電波が届かないため、屋内での測位にはGPSとは異なる手段が必要になります。

LPSには様々な方式があり、GPSと同じ仕組を使用した物、無線LANを利用した物、RFIDアクティブタグを利用した物、加速度センサを使用した物などがあります。

既存屋内測位技術の比較
方式 特徴
GPS方式 電波の到達時間の差を利用します。 電波は1cm進むのにわずか 0.03 ナノ秒(ナノ=十億分の一)しかかからないため、高性能な時計を使用したとしても精度には限界があります。
無線LAN方式 無線LANアクセスポイントからの電波の強度を利用します。 電波の強度は建物の形状の影響を受けるため、電波の強さが単純にアクセスポイントからの距離と対応しているとは限りません。 対象物の厳密な位置を特定するというよりも、どの付近にいるかといったことの判定に利用されます。 スマートフォン等、広く普及している端末を利用出来るメリットがあります。
アクティブタグ方式 アクティブタグから発生する電波の強度を利用します。 電波の強度は建物の形状やタグの向きの影響を受けるため、電波の強さが単純にタグからの距離と対応しているとは限りません。 対象物の厳密な位置を特定するというよりも、どの付近にいるかといったことの判定に利用されます。
加速度センサ方式 加速度を元に初期位置からの変位を計算する方式です。 加速度センサの誤差によって、時間の経過と共に位置の精度が下がっていきます。 定期的にその他の方法で正確な位置を取得しなおす必要があります。

超音波測位技術

弊社が特に注目している超音波測位技術とは、測位対象物から発せられた超音波が建物に備え付けられた受信機に届くまでの時間、 または建物に備え付けられた発信機から発せられた超音波が測位対象物に届くまでの時間を利用して、対象物の位置を特定する技術です。

超音波測位による位置測位
超音波測位イメージ図

超屋内測位技術は音波を使用するため、以下のような特徴があります。

以上のように、超音波測位技術は精度という点で既存技術より優れています。 既存の技術ではおおよそどの付近にいるということしかわからないため、提供可能なサービスに限界がありました。 超音波測位を用いることで、自走ロボットのコントロールなど、cmオーダーの精度を活かした新しいサービスの提供が可能になると考えられます。

VESTの現在の取り組み

PLUM

PLUMは屋内地理情報システムを開発するためのJavaフレームワークです。 BananaBaroccoの概念を継承、改良しつつ、 見取り図などの建物構造情報と、超音波測位によって得られた位置情報を利用するための基盤を提供します。

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